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あの告白の日から高林先生との関係が変わった
生徒と教師という関係に加えて「恋人」という関係になった
勿論このことは圭介には報告してある
圭介に言うとビックリしていたけど「繁華街で遊べなくなってよかったな」と言われた
実際、繁華街に行く用はなくなったから反論はしないけれどね
高林先生とのデートはほぼ毎日。場所は変わらず学校の図書館だけど、それなりに楽しんでいる
土日はどちらか1日だけどこかに遊びに出かけたりしている



「先生、今週はどこに行くー?」
放課後の図書館で今日は部活もないらしく二人きりで出かける場所を決めるために旅行雑誌を見ていた
「どこでもいいよ。美希也が行きたいところなら」
「んー・・・別に行きたいところって言われてもなぁ・・・」
先週は水族館に行ったし、その前は映画館に行った
もう付き合い始めて三週間目なのか・・・と気づくと急に時間が早く過ぎたように感じる
「そうだなぁ・・・」
そろそろ我侭をちょっとくらい言ってみてもいいかな?
「先生の手料理が食べたいなー」
にっこりと笑ってそうねだってみる
「手料理?」
「うん。駄目?」
少し不安げに高林先生を見上げる
「・・・いいよ」
「やったー!」
きっと断らないだろうとは思っていたけど少し自信がなかったので嬉しい
「そういうお願いの仕方は他のやつにはするなよ?」
「ん?・・・うん」
よくわからないがとりあえず頷いておく
「じゃあ、土曜日の夕食をご馳走するよ」
「楽しみにしてるね」
これで土曜日は夜まで高林先生と一緒に居られる
少し嬉しい気持ちになった
別に付き合うことはコレが初めてじゃない。
ちゃんと女の子と恋愛したり遊んだりもした・・・
まぁ、彼女と別れてから女の子と『付き合う』ことは億劫になってしまったけどさ



「美希也、土曜日の昼間は何をして過ごす?」
「そうだなぁ・・・」



別にどこかにいかなくてもいい。
ただまったりと一緒に時を過ごせれば
そして、この幸せがいつまでも続けば・・・
コレがささやかな願いだった



願いはいつも叶わない。
知っているのに・・・願わずにはいられない



「夕食のお買い物がてらドライブとかは?」
たいして浮かばなかったので、そう聞いてみる
「そうだな、美希也がそれでいいならドライブに行こうか」
すぐに決まった
コースは高林先生に任せることにした
この辺の地理とか分からないしね




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