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「ところで圭介、今日は何か用事があったんじゃないの?大丈夫だった?」
急いで帰っていたのを思い出しそう訊くと「大丈夫」と笑って返された
「ちょっと家の方で行かないといけないところがあったんだけど、電話したときにはもう終わって家に帰った所だったからさ。本当、お前タイミングよかったな」
あ、だから私服だったんだ
今更ながら自然な服装に気がついた
出先のまま来たのならきっと制服だっただろう。また、タキも一回帰った後なのか私服だったので今まで違和感なく過ごしていた

「二人ともこの後は何か予定あるの?」
そう訊くと
「あったら美希也の所になんて来てないよー!それに、もうこんな時間だし、今日は相手もいないね」
本当だったら今頃カモを釣ってる頃なのにーとぼやくタキは無視して圭介は?と視線を投げる
「用事も終わってたし、家で試験勉強するくらいの予定しかあるわけがないだろ?今は試験前なんだからな?」
わかってるのか?と念を押された
「そっか。じゃあ、二人ともこれから空いてるんだよね・・・ねぇ、ちょっと俺に付き合ってよ」
当初の予定であったストレス発散。
多少泣き寝入りでマシになったとは言え、折角来てくれたのだから最後まで付き合わせようと思ったのだ
「言われなくてもそのつもりだよ。今日は気が済むまで付き合ってやるって」
ニヤリとタキが笑う。圭介は仕方がないなとため息をついているが、最初からこうなることは分かっていたと言った顔をしている
「よろしくね」
にこりと笑ってそう言った
きっといつものようにゲーセンで騒いで、ファミレスでパフェを食べた後マスターの店でぐだぐだとする
今日もこのコースになるんだろうなと考え更に笑う
お決まりのコースだけど、コレが一番しっくり来て俺達らしい
「じゃあ、行こっか!」
昨日から沈んでいた気分も一気に浮上し、楽しくなる
私服に着替えて圭介達と一緒に一階に下りた

「出かけてくるね」
リビングに向けて声を掛けて玄関へと向かうとバタバタと慌てた様子で掛けてくる足音が響いた
「出かけるって、もうすぐ7時よ?今から何処に行くの?」
母親の頼子がリビングから飛び出てきてそう訊いた
「何処って、いつものコースならゲーセンに行った後ファミレスかな?」
それでいい?と後ろにいるタキ達に同意を得るように振り返った
「こんな時間からゲーセンって、しかもファミレスって・・・お友達のご両親も心配するでしょう?お友達も一緒だと思って夕飯作ったから今日は家で遊んだらどう?」
「圭介の家は心配するかな?」
からかうようにそう訊いて見た。タキの家が心配しないことは知っているし、聞くだけ野暮なのでタキには聞かない
「美希也もうちがそんなこと心配するわけないの知ってるだろ」
そう肩を竦めて言ってから
「でも、美希也の親は心配してるみたいだし、今日はお言葉に甘えて美希也の家で遊ばせて貰おうか」
と圭介が言った


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