[24]

あーでもないこーでもないと楓と聡広が勉強をしている最中、俺と圭介は勉強は片隅においやりいつものようにくだらない話で盛り上がっていた
ただ無駄に時間が過ぎていく。
本来ならもっと聡広と話しているはずの時間。
なのに今は全く話せてもいない
「はぁ。圭介、俺今回は何点で揃えたらいいかなー?」
唐突にそんな質問を投げかけてみた
案の定ビックリして噴出している
「うわっ、汚い!ちょっと本に唾飛ばしてないよね?その本圭介が読み終わったら借りようと思っていたのに」
一応確認してみると広げていた本はどうやら無事のようだ
「俺より本の心配かよ!」
真っ先に本を確かめたのが不満だったようだ
「ごめんね。気になってたからさ。本は早めに読んでね?」
我侭な発言を繰り返す。相手が圭介だからこそこんなやり取りができるのだ
「はいはい。で、何でテストの点を自分で決めるんだ?折角揃えるなら全教科100点でしょう?」
「んー、100点は今から頑張らないと取れないし、夏休みがすっごく暇になる気がするからできたら50点以下で揃えようかと思ってるんだけど、何点がいい?」
そう聞くと「「おい!」」という声がハモって聞こえた
どうやらこの場にいる自分以外の者の声が揃ったらしい
「美希也、それ本気で言ってるの?さっき説明したよね?50点以下はスパルタ補習だって」
「何でわざわざ補習を受けたいんだ?」
「お前バカだろ?何でわざわざ補習なんか受ける気なんだ?遊ぶ時間が減るじゃねーか!」
順に楓・聡広・圭と続き小言を言われた
「んー、どうせ夏休みに暇になるくらいなら今頑張らないでしっかり補習受けてもいいかなーなんて思って」
そう思っていることを言うと楓にガシッと肩を捕まれて
「止めたほうがいいって、かなりキツイらしいんだよ?スパルタ補習」
「スパルタって具体的にはどういう物?俺大体のことには耐えられる自信あるけど」
スパルタと言ってもこんな金持ちのボンボンには耐えられないことでも一般庶民で極平凡な公立だった俺には普通のことかもしれない
更に、補習の日々は過去にも経験済みだ
「噂では強面の生活指導の先生が竹刀を持って立ってて、逃げようものなら問答無用で叩かれ、さらに間違えても叩かれて・・・という一般的な体罰を含む物らしいよ」
うわー。実際にそんなことが行われていたら教育委員会に訴えられているだろう
いや、ココは私立だし、親の許可があればいいんだろうか?
「ふーん。まぁ、いいんじゃない?それでちゃんと身につくんだったらそういうのもアリだと思うけど」
「ふーんって・・・美希也マゾだっけ?そんな体罰自ら受けたいなんて」
圭がそんなことを言う
「マゾじゃない!でも、これくらい普通だと思うけどなー。日常茶飯事だったし」
寧ろ今が相当ぬるく感じる
田舎の学校ではいわゆる頭の悪いランクのクラスではこういうスパルタ要素の多い授業がかなりあった
さすがに体罰は与えられなかったが、竹刀を持ち間違えると机をバシッと叩かれることがあった
「日常茶飯事って・・・どんな学校だよ」
と、呆れたようにいう圭に「極普通の学校だよ」と少し苦笑しつつ返した
本当に自分にとっても学校の基準はそれなんだから普通としか言いようが無かった




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