[1]

退屈で退屈で仕方が無かった日々
そんな毎日にある日少しの希望がさした
こんな俺でも幸せで充実している日々を送ることができるのだと

そう思ったのに・・・
全ては幻想だった

今の全てが夢ならば良いのに
そしたら・・・夢から覚めたらまた違う人生があると信じて頑張れるのに

全てが夢なら・・・



「何やってんだよ!おい、美希也?」
圭介の声が聞こえる
何って・・・あれ?何だろう?
「って、何だ。寝てるのか」
俺、寝てる?
「おーい、美希也ー?そろそろ起きないとマスターが怒るぞ」

軽く揺さぶられてようやく目を開ける
目の前に圭介が居る
「あれ・・・?夢?」
「は?夢見てたのか?」
軽く見渡すと見慣れた店内
繁華街裏の端の方にある喫茶店の店内だ
「ん・・・よく分からないや。それより、そろそろ開店時間?」
「あ、そうだった。開店時間だからお前寝るなら奥に行ってねぇとマスターが怒るぞ」
「いや、起きる。ありがとね。起こしてくれて」
ぐいっと伸びをして寝ていたボックス席のソファから立ち上がる

夢は夢でも、覚めたら現実
今、ココにいることが現実なのだと強調するような夢だった

「美希也、そろそろ開店だ」
マスターの声に「はーい」と返事を返して店の扉に掛かっている札をCloseからOpenへと返る
これからが夜の街の始まりだ



NEXT →

ページ一覧】【一言】【TOP】【HOME

Copyright(C) Shino komanami.All Rights Reserved.