[011]


「・・・だっ!――?」

「――。・・・!――?!」

ふわふわと心地よい感覚を打ち破るように、少し離れた場所で言い争う声が聞こえる

その声のうち、1人はNightの声だということは分かったけれど何を言っているのかは聞き取れない

「大体!こんなこと――!」

「――!そこまで知りません」

何故かだんだん声が近くなってきて少しずつ声が聞き取れるようになってきた

何だろう?ココは・・・

「っぁ…」

体を動かした拍子に小さく声が漏れた

それと同時に声が止み、自分の近くに人の気配を感じる

しかし、それが誰かなんて分からない

「起きたんじゃねぇのか?」

「そうかもしれませんね。どうします?起こしますか?」

Nightの声だ

すぐ近くにいるのだろう

姿を確認しようと目を開けようとして違和感を感じる

「え?あれ…?」

目が…開かない?

「起きちゃったみたいですね」

そう言うとスッと頭の後ろに気配を感じ、ビクッとなったがすぐにその気配は遠退き、それと同時に何かが外された

「颯太君」

Nightに名前を呼ばれてハッとして目を開ける

ようやく広がった視界にはNightと見知らぬ男が居た

そして、Nightの手には布があったのできっとそれで目隠しされていたのだろうと推測できる

「えーっと…」

その人は誰?とか言いたいことは沢山あるけれど

まず最初に問いかけたいことがある



(拍手掲載日:2010.03.28)





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