[06]
「じゃあ、話そうか。早速だけど、君は最近企業についての情報が欲しいという依頼を受けなかった?」
そう言われてここ数日を思い出す
確かに、この1週間ほどの間で2回あった。
『ソフトComという企業についての情報』余程この企業についての情報が知りたいのだろうとは思ったが2回目の依頼は受けなかった
この人が依頼主だったのだろうか?
「さぁ?何のことですか?しかも依頼って?」
こんな物騒なことをされて正直に言うわけがない
どうせ全て調べられてることは分かっているが、しらを切ることにした
「…なるほどね」
こちらの思惑を汲み取ってか、軽くため息をついて
「正直に答えてくれないかな?別に君に何か危害を加えるつもりはないんだ。ただ、依頼がしたいだけ」
「そんなこと言われても、俺何もできないですよ?」
充分危害を加えられてるんですけどね
ずずっとコーヒーを啜る
「君ならできるよ。ただ、覚えていることを話してくれたらいいだけだから」
胡散臭い
一体何が知りたいのやら…
「君は最近『ソフトComについての情報』を求めている人からの依頼を受けたよね?」
軽く首を傾げて「何言ってるの?この人?」という表情を作る
少し嫌そうな顔をしたことに一瞬躊躇った様子だったが
「俺達はその情報を依頼した人についての情報が欲しいんだ」
その言葉につい動揺して目を見開いてしまった
あーぁ、俺にはポーカーフェイスというのはできないようだ
「てっきり、俺にその情報を2回も依頼してきた人だと思ったんだけど、違ったんだ」
「やっぱり、君に依頼があったんだね」
「そうですけど?でも、悪いけど俺、依頼は選り好みするの。それも調べ済み?」
だからあんた達の依頼なんか受けないよ。と主張したつもりだった
(拍手掲載日:2010.01.02)
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