[08]


「サーウェンって企業知ってます?」

そう切り出すと、Nightは知っている様子で

「確か、電子系統の企業だったよね」

「そうです。そこの常務の1人からの依頼でした」

「へぇ、で、誰なの?」

個人名まで求めているわけか…

「竹梨雄三」

そう答えると、どこに控えていたのか黒いスーツにサングラスをつけた人二人が部屋の中に入ってきた

これは嵌められたかな?なんて思いながらこの後の展開を見守ることにする

Nightは渡されたノートPCを開いた

どうやら今の話を確認するようだ

カタカタとキーボードを打つ音だけが室内に響く

「なるほどね」

10分ほどだろうか、調べ終わったのかNightがようやく顔を上げてこちらを見た

「嘘ではないようだ」

「じゃあ、もう帰っていいですよね?」

こんな場所にいつまでも居たくはない

立ち上がろうとした時

いつの間にか背後に回っていた黒いスーツにサングラスを付けた奴にガッシリと肩をつかまれて、強制的に座らされた

「何だよ!」

「もうちょっとだけ待ってくれるかな?今、外に出ちゃうと危険だから」

またキーボードを打つことを再開したNightがモニターに目線を向けたままそういった

「どういうことだよ…」

そう尋ねたら何故か俺を抑えている黒いスーツを着た奴では無い方にノートPCを差し出された

どういうことか分からないまま受け取ってしまう

が、パソコンが渡されたということは、開いてみろということだろう

画面を開いて電源をつけて起動させた



(拍手掲載日:2010.01.02)



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