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「心配させてごめんね」
ブランコから立ち上がりながらそういうと
「大丈夫ならいいが・・・」
と言葉を濁す
「どうかした?」
不思議に思いそう聞くと
「いや、何でもない。それより、浴衣なんだな」
と話をそらされた
少し不満はあるけれど蒸し返すことはせず
「いいでしょう?お祭りだしってことで友達が着せてくれたんだ」
にこりと笑って浴衣を見せる
「似合ってるよ」
「・・・ありがとうー」
そんな照れる言葉が返ってくるなんて思わなかったから少し動揺したが平然を装った
「聡広、そろそろお祭り行く?」
照れ隠しも含めてそう聞くと聡広は少し困った顔をする


ん?何か困らせるようなこと言った?
久しぶりに名前を呼んだから?


期待半分、心配半分
少しドキドキしながら聡広の言葉を待つ


「いや・・・楓とココで待ち合わせしているんだ」


・・・え?


「美希也とココで待ち合わせしてるって言ったら楓も来るって言うからさ」


頭の中が真っ白で何も考えられない
つまり・・・どういうこと?



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