[09]

週末、久しぶりに繁華街へと出向いていた。

土日の昼間は別に喧嘩などをしなければ補導されたりなどしない

目指すはいつもの「カフェ」だ

今日は久しぶりにタキと遊ぶ約束をしてある



「こんにちはー」

CLOSEの看板が出ているが気にせず中に入った

既にタキは来ている

「久しぶり!最近全然顔を出さないからどうしたのかと思ってたよー」

「ほぼ毎日メールしてるくせに何を言ってるんだよ」

タキのおでこを突きながらそういった

「マスター久しぶり」

改めて店のマスターに挨拶する

「最近来ないからもう来ないかと思ってたぞ」

「見回りが厳しいからさー。でも、土日は見回りしてないみたいだし休日くらい遊んだっていいじゃん?」

「あぁそう。気をつけろよ」

「分かってますよー。さて、タキ行こうか」

今日はタキとゲーセンでも行こうかという話になっている

ゲーセンで遊んでいると突然声を掛けられた

「あれ?美希也くん?」

声のしたほうを見ると先日会った納谷と高林先生がいた



「こんにちは。先生達も遊びに来たんですか?」

そう聞くと

「いんや、聡広が夕方からこの辺の見回り担当らしいんだけど一人では退屈だからって駄々こねてさぁ」

「誰が駄々こねたんだ。違うからな。見回りは本当だけどこいつと居るのは納谷が仕事が休みで暇だから遊びに行こうと誘ってくれたんだけど仕事があるって言ったらついてきただけだからな」

ポカリと納谷の頭を軽く叩き、何故か必死に言い訳をする高林先生

「そうだったんですかー」

「でも、珍しい場所で会ったね。美希也くん真面目そうに見えて意外と不良?」

クスクスとからかうように笑いながら納谷がそう聞いてくる

「意外でもなく不良ですよ」

真面目にそう返す。そうでないとこの間のように夜に出歩いたりしないだろう

「へぇ、じゃあこの辺もよく遊びにきたりするの?」

「まぁ・・・たまにですけど」

下手に答えて行動範囲を狭くするのは得策ではないが昼間の今ならば大丈夫だろうと勝手に判断する

「ミキ!見てー!2つGET!」

後ろからタキがそう言って抱き着いてきた

「うわっ、タキ危ないからそういうことしないでって言ってるでしょう?」

「ごっめーん、でも嬉しかったんだもん」

そう言ってとれたぬいぐるみを二つ見せてくる

2つとも同じクマのぬいぐるみだ

「よかったね。コレこの間欲しがってたシリーズだよね?」

「そう!コレで全部揃ったんだ!って、それよりその人たち知り合い?さっき話してたよね?」

タキはそう言って後ろを指す

タキは話しているのを知って気を引くために抱きついてきたのだろうか?と少し疑ったが純粋に嬉しくて抱きついたあとで気づいたのかもしれないと考え直す

「学校の先生」

そう答えるとタキは目を見開き焦ったように

「えっ、先生ってこんな昼間から見回りしてるの?っていうかこの状態って補導とか?」

と聞いてくる

「いや、まだ見回りには早い時間だから補導とかじゃないよ。でも、この近辺は治安が悪いから遊び場にするのはお勧めしないな」

補導は否定しつつも軽く諭すように説教される

この機会を逃さず

「それじゃあ、タキそろそろ帰ろうか」

「そうだねーそろそろ時間だし軽くご飯食べに行こうよ」

と、この場から去る理由を作った

「じゃあ、納谷さん、先生さようなら」

「あぁ、あまりこの辺に長居するなよ」

そう声を掛けられながらゲーセンから出た






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