[22]

両親と久しぶりに会話して、もう夜も遅いしそろそろ寝ようかと立ち上がった時
そう言えばと頼子に呼び止められた
「美希也、携帯の番号教えてくれない?連絡を取ろうにも母さん美希也の携帯の番号聞き忘れてて連絡できなかったのよ」
思わぬ言葉に「えっ?」とビックリする
「携帯の番号?教えたじゃない…」
田舎からココの家に来てすぐに携帯の番号は交換したはずだ
「あら?そうだったかしら…どこ探しても見当たらなかったんだけど…」
おかしいわねぇとそう言って引き出しを探す母に
「見当たらないって…紙も渡したけど、赤外線でその場で登録したじゃない」
「赤外線?あら、じゃあアドレス帳に登録してあったのね」
そう言って今度は携帯を見る母にげんなりとする
連絡が1件もなかったのは単純にアドレスが分からなかっただけということか…
「あ、あった…なんだぁ、聞いてたのね。ごめんなさいね。忘れてて」
「んーん、いいよ。それじゃあ、今日はもう寝るね。おやすみー」
声を掛けて部屋へと戻る


今日は色々あったからとても疲れた。
朝から不良の溜り場を巡り、夕方にはアズマと話して、その後は人が上から降ってくるし、聡広に家まで連れてこられた
明日は早めにマスターのいる喫茶店に帰ろう
そんでもって、今日の話を聞いてもらおう。
何だか目まぐるしくて…話して整理したい。町の状態とかも含めて…


ごろんと寝返りを打つ。
うとうとと心地よい眠気に誘われていた時
『コンコン』
と軽いノック音の後
「美希也、ちょっと、いいかな?」
…楓の声がした。


眠いけど…相手、しなきゃだめかな…?
仕方なく起き上がり扉を開ける
「何…?」
廊下には楓と聡広が居た
「その…ちょっと話たくて。部屋、入ってもいい?」
躊躇いがちにそう聞いてくる楓にチラッと部屋の中を見て扉を大きく開いて「どうぞ」と部屋の中へと招いた
あまり部屋に誰かを入れたくないけど、楓の部屋に行くのも何か嫌だったから。
「適当に座って」
と中央においてあるクッションを二人に勧めて自分はベッドに腰掛けた
さて、話って何だろう?




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